イタリア演劇 四谷怪談の為の音楽
2006
三味線、太棹三味線、sax, cello, ガムラン
来年公演のための、四谷怪談音楽プロトタイプ。東音阪本剛二郎と共作。
1. お岩の艶
2. ちょぼくれ宅悦
3. 伊右衛門〜金と色〜
4. 大詰
自分なりの演出を考える為に、オリジナルの歌舞伎を始め、様々なメディアで再創作されている四谷怪談を研究し、登場人物の複雑な組み替えや、作者のこだわりどころに関心しながら、最終的に決定した4つのポイントを作曲しました。音楽や歌詞は、長唄、下座音楽、義太夫、ガムランを参考にしました。それぞれの全く背景の異なる楽器の持ち味と、オリジナリティのバランスをとるのを醍醐味とし、また、劇音楽のプロトタイプであるので、自由に想像を膨らませてみました。
1. お岩の艶
四谷怪談といえば、「お岩さん」です。夫への愛と憎しみ、顔を崩された屈辱とが綯い交ぜとなった頂点に、意地でも女を磨こうとする狂った美しさを表現します。御歯黒をつけて、髪を梳かしてバッサリ落ち抜ける、有名な「髪梳」シーンを目指しています。
2. ちょぼくれ宅悦
宅悦は、四谷怪談の中では、最も悲惨な人物かもしれません。お岩には、薬が毒薬であったことを告白し、伊右衛門からはお岩に間男をするように命じられて失敗、お袖には一連の事件を告白するなどという修羅場をかいくぐっても、何とか上手く生き延びるタフな音楽です。
3. 伊右衛門〜金と色〜
侍としての忠義心と妻への愛と、金と色に変心と裏切りをしてしまう心情を合わせています。小判を水で洗って保管するいやらしい伊藤喜兵衛の家、お梅のゴタゴタ、お岩と小平が死んだばかりの、ひなびた伊右衛門宅での婚礼が背景にあります。
4. 大詰
伊右衛門と母の熊が、お岩の亡霊に憑かれ振り回される、グロテスクな断末魔です。音楽は「5」の数字を基本として、全体で念仏を唱えています。
【演奏記録】
第18回東音創作会
2006年5月14日 (日)開演13:00
紀尾井小ホール
<演奏>
細棹三味線:東音 阪本剛二郎
太棹三味線:田中悠美子
ガムラン・歌:さとうじゅんこ
チェロ:徳澤青弦
サクソフォン:鈴木広志
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